
こんにちは。nanaです。
これだから藤井七段の将棋は面白い。
そう思わせてくれる稲葉八段との対局でした。
残り時間10分を切った時点で稲葉八段は余裕の残り時間。
そういう中での大逆転劇はファンなら大興奮だったのではないでしょうか。
8割の記録が消える事を覚悟した瞬間に形勢が大きく藤井七段に触れました。
この勝利は本当に嬉しいです。
井上一門の呪縛再来かと思いきややってくれました。
本当におめでとうございます。
それでは本局の内容とここまでの記録などを紹介します。
今局は30連勝を止めた佐々木七段が驚きを隠せないという
解説をしていましたのできるだけ詳しくその辺もご紹介します。
対局内容
3月24日藤井聡太七段17歳、王位戦挑戦者決定リーグ白組で稲葉陽八段31歳と
関西将棋会館「水無瀬の間」で対局を行いました。
持ち時間は各四時間。
リーグ戦の為、事前に藤井七段の先手が決まっていました。
過去の対戦成績は1勝1敗。
初手合いは2017年のNHK杯で稲葉八段が勝利、次は昨年の朝日杯で藤井七段が勝利しています。
対局者成績(今局を除く)
稲葉陽八段
通算成績は310勝166敗(勝率0.651)
今年度成績は22勝20敗
今年度成績ランキングで対局数42は20位タイ
藤井聡太七段
通算成績は164勝32敗(勝率0.837)
今年度成績は48勝12敗
今年度ランキングで対局数60は2位
勝数は1位、勝率0.800は1位。
連勝12は3位タイ
これが対局前の情報でしたが
本局勝利した事で
年度内の勝利が64局 52勝12敗となり勝率.8125(未公開対局を含む)まで
伸ばし、 今年度最終戦(3月31日 菅井竜也八段戦)を待たずに、3年連続での勝率8割以上を確定させたと 報じられています。
稲葉八段は前期に初めて挑戦者決定リーグ入りしていますが1勝4敗で陥落しています。 今期予選は小林健二九段、宮本広志五段、井上慶太九段、山崎隆之八段に勝って 2年連続のリーグ入り。リーグでは初戦で安倍健次郎七段を破り弟弟子の菅井竜也八段に敗れています。
藤井七段は前期の王位戦は初戦で浜崎隆之八段に敗れてています。
今期は竹内雄吾五段、西川和宏六段、出口若武四段、斎藤慎太郎七段(現八段)に勝って 初めてのリーグ入りを果たしています。
りーぐでは羽生善治九段、上村亘五段に勝ってリーグ成績を2勝0敗と伸ばしていました。
本局の模様はabema TVで中継されており
出演は佐々木勇気七段、八代七段が担当しており
今局もとても分かり易い解説で聞いていて楽しめた一局でした。
戦型は角換わり腰掛け銀の最新系で挑みました。
今期の挑戦者決定リーグは棋士によって進行がばらばらでしたが
昨日で全員が2局以上を消化しています
24日時点での成績は
2勝0敗が菅井竜也八段、藤井聡太七段
2勝1敗 羽生善治九段
1勝1敗 稲葉八段
0勝2 阿部健治朗七段
0勝3敗 上村亘五段
今朝先に関西将棋会館に到着したのは藤井七段
早く到着して棋士室で静かに過ごすのが藤井スタイル。
稲葉八段は9時過ぎに到着してすぐ、対局室に入りました。
少しして藤井七段も対局室に向かい駒を並べ終えても開始まで
まだ10分以上の時間がありました。
62手目稲葉八段が6六歩と指されたあと29分程藤井七段が
考えて昼食休憩に入っています
ここまでの消費時間は藤井七段57分
稲葉八段29分
昼食は稲葉八段がかつ丼と温そばのセット
藤井七段がカレーうどん定食(いずれも「やまがそば」)
対局は12時40分から再開されました
その後終盤まではAIによる形勢が徐々に稲葉八段へ振れていき
この状況を見た時に8割の記録が消える覚悟をして
やっぱり井上一門強しなのかと思っていました。
すると最終盤になり解説者も驚く急展開。
藤井七段優勢へと変わっていきます。
これには恐らく稲葉八段も何が起こったのか分からなかったのでは
ないでしょうか。
稲葉八段は最終盤までテンポよくあまり時間を使う事なく指し続けて
いました。それも勿論藤井七段に考える時間を与えないというような
戦略だったんだと思いますが、その十分残した時間も最後有効に使いながらも
藤井七段の力に押し切られたと言った感じですね。
終局時間19時36分
消費時間
藤井聡太七段が3時間59分
稲葉八段が3時間41分
リーグ成績は藤井七段が3勝0敗
稲葉八段が1勝2敗となりました。
勝っても藤井七段の時間の使い方が良くないとか言いたい人がいるんだと
思いますがこれほど興奮する対局はあまりありません。
感想戦で113手目7四金について読み切っていたのではなく
こちらはこれしかありませんでしたので」と答えています。
ただ逆転勝ちなのにも関わらず終盤まで遊んでいた駒が
急に活きてきて全ての駒の働いているという状況に
最後は持ち込んでいました。
藤井七段 対局後の感想
中盤で長考した場面があったんですが、読み筋が当たらず、 時間でも形勢でも苦しくなってしまった気がします。
途中からかなり複雑で、考えてもなかなかわからない局面が続いたんですが、
かなり時間がなくなって厳しいかなと思っていました」と大苦戦を振り返っています。 105手目6一飛に対し6二歩なら苦しいと思います。
残り2局も最善を尽くして指したいと思っています。
稲葉陽八段 対局後の感想
ある程度研究通りで有利に進められていたと思います。
藤井七段の時間のなかで勝負手を出され、長考する事になりました。
105手目6一飛への対応を誤りました。 残り2局も頑張ります。
そして藤井七段の印象を尋ねられ妥協することなく時間を惜しみなく使っていました」
解説者の印象的な言葉
109手目の話です。
ここに来るまでに藤井七段は16%台まで形勢が
追い込まれていたに5八玉を指した直後からAI形勢系が 一気に50%に戻ります。
その時に佐々木勇気七段が
「えっとこれは逆転したんじゃないですか。形勢が戻らないから。」
聞き手の女流棋士と共に驚きを隠せない様子で 語っていました。
その後稲葉八段がほぼノータイムで次の手を指されますが
そこで更にAIの評価値は藤井七段に傾いていきます。
この手に関しては佐々木七段が大丈夫なのかな~
と心配された通りここから藤井七段優勢で そのまま突き進むことになります。
「いやーまさかこれ逆転する事あるんだ。驚きましたね。
逆転しましたね。完全に。いやこれ逃さないでしょ。
ここで1分でも2分でもあれば藤井さんは逃さないんですよね。
こう言うところには自信があるんですよね」
110手目で藤井七段の形勢は70%へと爆上げされていました。
その直後藤井七段は1分将棋へと突入します。
ただここで良くなった手順を逃さないのは流石詰め将棋選手権で
5連覇を成し遂げた天才だけあります。 揺るぎない手順で進んでいきます。
11手目は7三成桂なら勝ちますと佐々木七段が確信をもって 話していた直後藤井七段はこの手を指します。
ますます佐々木七段は勝ちを確信していった様子でした。
ここでも更に感嘆し 「いやー凄いね。これ勝つんだね」と言うと聞き手が
「まだわかんないですよね」と否定はしていましたが
それでも強い確信を持ち解説
そのなかでも聞き手はこれを一分将棋で寄せれる気がしないと
ココから勝つことの大変さを伝えていました。
それでも佐々木七段は勝ち切った事を予想し 「いやーこ正直れが勝つとは思いませんでした。 投了寸前だったんですもん。多分。多分ですよ。」
この後もどんど確信をもち 112手目付近では
「藤井さんが間違わなければ勝ちですね。こう言うことあるんですね」
これは相当凄い。逆転劇だと思いますよ」
そのご藤井七段は間違う事なくちょっとしたチャンを見逃すことなく
広いそこから勝ち切る凄さを見せつけてくれました。
八代七段 対局後大盤解説での話
105手目6一飛を流石のと勝負手でしたね」驚かれていましたね。
普通の手では勝てないと思い捻りだした手が凄かった。
総括
本局は藤井七段としてはミスと言うか稲葉八段のリードを許した時間が長かったので その辺りは結果的に満足いってないところもあるのかもしれないですけど 私個人としてはですね、やはり逆転術っていうんですかね。
差を広げられないような、そういう技って言うのを感じた気がしました。
大逆転とまではいかないですけど、この将棋を勝つのかと言うような
ところを見られたのかなと言う感じですね。
最後の詰みもまさにぴったりで、持ってる人は違うんだなーって感じって言うとあれですけど そんなことを久々に感じました。
角換わりの最新系で私自身時も今後に生かしたいなと思いました」
まとめ
今局は途中解説でも話していたのですが、 読んでいたのではないと言いながら実はすべて計算だったかのように 死んでいた駒が全て最後は活かされ勝ち切った形となりました。
今回は稲葉八段が新工夫を見せたのに対し、藤井七段は3回連続長考の末、
強襲を敢行。余される展開となり窮地に追い込まれるも、 そこから勝負手を連発して難解な局面に誘導すると、最後に稲葉八段に悪手が出て大逆転となりました。
これにより藤井七段は2017年度から3年連続で、勝率8割以上が確定と報じられています。年間表彰「将棋大賞」の制定以降、史上初の快挙を達成に最近の情勢であまりいいニュースが 無いなか嬉しいニュースとなりました。
大記録達成については「全く意識はしていなかったですが、今年度も一局一局に全力を尽くした結果、 そういう結果が残せたことはよかったかなと思います」と、圧倒的な好成績にも表情は変わらなかった。
同リーグでは3連勝となり白組暫定首位に。木村一基王位(46)への挑戦、最年少タイトル獲得に一歩前進した事になります。
過去、年度勝率8割以上を複数回クリアしたのは、藤井七段を含めて3人だけ。中原誠十六世名人(72=2回)、 羽生善治九段(49=3回)で、2人は2年連続が1回あった。
実質的なデビュー年度となった2017年度は.8356、 続く2018年度に.8491と、どちらも年度最高勝率に迫る快進撃を続けてきたが、 2019年度はさらに上位の棋士との対局も増え、勝率を下げた時期もあった。
それでも順位戦C級1組の全勝昇級をはじめ、 王位戦・王将戦では挑決リーグ入り。トップクラスでも戦える実力を見せ続けると成績も再び上昇した。本局の勝利で64局、 52勝12敗、勝率.8125(未公開対局を含む)まで伸ばし、
今年度最終戦(3月31日 菅井竜也八段戦)を待たずに、3年連続での勝率8割以上を確定させました。 改めて藤井七段おめでとうございます。
最後に三浦九段の動画も作りたかったのですが 作れないでいる事を悔しく思いつつ最後に ここでお祝いを言いたいと思います。
あの因縁の竜王戦で20日渡辺三冠を下しました。
三浦九段本当におめでとうございます。
この調子で上り詰めてください。楽しみにしています。
三浦九段と藤井七段は過去2局対局が行われており1勝1敗の成績となっています。
将棋ファンの声
藤井七段、勝利おめでとうございます。
昼過ぎから夕方まで見ていなく、勝利確率30%で残り時間10分くらいのところから観戦再開しました。
2五飛で1段目の守備がなくなり、6七歩に迫られて、一時は勝利確率15%からの大逆転は凄いの一言です。
逆転してからは、1分将棋でもミスなく稲葉玉を詰ましました。
コロナウイルスで落ち込んでいましたが、元気になりました。
ありがとうございます!!!
愛知はコロナ蔓延地域、藤井くんの将棋でコロナ鬱など吹き飛ばしてほしいね。
数ある藤井聡太くんの傑作の中でもこれははずせない芸術作品だろう。感動した。最後まであきらめない、17歳の天才棋士の棋譜から教えてもらった。
レーティング4位対13位。期待勝率71% 藤井くんの先手で角換わり腰掛け銀。
6七歩、8七歩、垂れ歩の連打がいやらしい。が、適切に対応。75手目3四歩がどうか?
2四歩や3四銀が勝ったのでは?その後の?3三銀が俗っ、先手の利は消えているようだ。
王手飛車を狙われるふわりと浮いた89手目2五飛が藤井マジック、平凡な4五角では及ばないと見たか。
108手目7八角では?7七銀成、110手目6一金ではまだ7六馬だった。111手目7三成桂から35手詰め、1分将棋の中で気づいているのは将棋400年で藤井くんくらいなもの。目の前の一局に集中して、勝利を積み重ねてほしい。
2五角成で相手の飛車を取る順(解説者が推奨)ではなく、本譜は?8七角成として金を取った訳だが…2五角成では最初から負けると思ったのか、あるいは多分勝つけどリスクを負うと思ったのか。
8七角成しかないと思ったのか、あるいは同じ勝ちでもより安全で確実だと思ったのか。優勢度92%から大悲劇を招いてしまった稲葉陽八段の心理が知りたい。
追い込まれた天才の凄さを見た。AI評価値を見れる視聴者は数字だけ見れば簡単なようだが、 1分将棋で30手以上の詰将棋を寸分の狂いなく指せるとは鳥肌ものだった。改めて彼の凄さが際立った一局。
藤井七段の終盤の強さが発揮された対局でしたね、
8:2で負けそうな終盤、相手はA級棋士、持ち時間も数分・・
自分ももう本局は負けたなと思ってたらいつの間にか評価値が逆転、
なんじゃこりゃと鳥肌が立ったよ、43手詰みと表示が出た、
藤井七段、1分で43手詰み読み切ったかのように、寄せ切った、
今回も、藤井七段が劣勢の場面で放った毒饅頭、2個あったらしい、
カッコいい飛車切りもさく裂、この将棋勝つのかと信じられなかったよ
恐るべし藤井七段の切れ味でした。
コメント