こんにちは。nanaです。
20日藤井聡太七段が上村五段を破り王位戦で勝利しました。
見事な将棋でした。
終盤まで互角の争いだったところからの急展開が
流石と言った感じです。
今局、勝利した事で勝率をまた8割に乗せる事が出来ました
だからと言って今年度はまだ対局が残っていますので気を抜けない正念場となっています。 このまま行けると思います。
頑張れ、藤井七段。
それでは今局の紹介をしていきます。
対局内容
第61期王位戦挑戦者決定リーグ白組より
藤井聡太七段(1勝0敗)対上村亘五段(0勝2敗)
の一戦がabena TVで中継されました。
解説は高見七段と門倉五段。
場所は関西将棋会館「水無瀬の間」で10時から 始まりました。
対局が始まる前に丁寧に駒を盤に並べる二人の姿を
見て解説者の 門倉五段がひとつひとつ並べながら気持ちが
高まっていくという 感じですよねと話していました。
駒を並べる時の細かい決まりはなく2人が同じ感じで
ドンドン並べても良いようですが今局はゆっくり交互に並べていましたね。
リーグ戦ですので事前に抽選で先後が決まっており
藤井七段は後手で戦います。
両者は長い一礼を交わし頭を上げた上村五段は
ゆっくりと「2六歩」を指しました。
藤井七段はお茶に手を伸ばしハンカチで口元を拭い
少しうつむいた後先手と同じく飛車先の歩を突きました
今局までの対局者成績
上村五段の今年度成績は20勝19敗(0.513)
通算成績は112勝128敗(0.467)
藤井七段の今年度成績は47勝12敗(0.797)
通算成績は163勝32敗(0.836)
勝率ランキング暫定1位です。
対局前に解説の門倉五段が次のように話していました
1回戦の羽生九段戦について
凄い注目度でしたよね
ねじり合いで最後は藤井七段が抜け出して、終わってみれば完勝と言う内容でした
兎に角強いなと言う感じでした
デビュー当時はもう少し、粗削りなところがあったと思うんですけど、今は横綱相撲というか
序盤からしっかり研究してリードして
中終盤のねじり合いでも力を発揮して
なんかぶれないようになってきてると思いますけど
元々強かったのにドンドン強くなってきて
上村さんはここまで勝ち越しはないですが
相手も強いですからなかなか勝つのは大変ですけど
前回は上村さんと戦った時先手で負けたんですよね
以前この二人が対戦した時は
上村さんが後手番で横歩取りの将棋だったんですね
それで藤井七段に勝ったと
藤井七段が先手番で初めて負けたんですよ
だからこれは一生記録に残ります。と話していました。
上村五段は慶応義塾大学理工学部、数理科学科を卒業した初の棋士です。
今局解説の高見七段は立教大学文学部卒業。
他にも棋士の中には東大卒の片上 大輔七段。
大阪大学大学院文学研究科を卒業された糸谷八段。
そして 早稲田を卒業された棋士は多数いらっしゃいます。
藤井七段は今のところ大学進学は考えていないようですが
ご家族の方との話し合いの中で出した結果なのでしょう。
棋士の世界で突き抜けた成績を出している羽生九段は高校を卒業し
大学進学はせずに将棋に専念される事を選びました。
結果的にこれだけの偉業を成し遂げられていますから良い選択だったと言えますが それを決断する時はやはり悩まれたのではないでしょうか。
今後藤井七段がどのような道を選んでいかれるのか期待し応援していきます。
さて上村五段は序盤の研究家としても知られ終盤の鋭さも定評がある棋士です。
一方藤井七段は居飛車党。詰め将棋で磨かれたと言われている
終盤力を武器に中盤から積極的な踏み込みを見せます。
12時に昼食休憩に入りました
ここまでの消費時間ですが
上村五段が35分
藤井七段が58分
昼食は両者イレブンのサービスランチで
上村五段が「ちんとんしゃん」
藤井七段が牛肉照り焼き
118手目を見た上村五段が投了したのが19時44分
両者の消費時間が藤井七段が3時間56分
上村五段3時間59分
上村五段は1分将棋に入りながらも粘り強く最後まで
指し続ける姿勢をみせ、対局後は次のように話しています。
上村五段 対局後の感想
ずっと難しいかなと思っていたんですけれども
終盤4六角と打たれた局面で負けになって
しまったような気がします
ずっと難しくて指していて分からない将棋
でした。ずっと難しかったかなと思います。
後手番で藤井七段と対局し勝利した時と
比べて思う事があるかと言う質問に対して
前回は前回で今回は今回で心機一転して
指そうと思っていたので
まあ過去の事は忘れてって感じだったんですけれども
今局は終盤に切れ味を発揮されて
届かなかったという印象です。
この様に語りがっくり肩を落としていた姿を見せました。
藤井七段 対局後の感想
藤井七段は「ここまでは良い結果がでていると思うので。次戦もすぐにあるので、しっかりと 良い状態で臨めれば、と思っています」と話した。敗れた上村五段は「(形勢は)ずっと難しかったかなと思います。
終盤で(藤井七段に)切れ味を発揮されて、届かなかったな、という印象です」と話しました。
今局で印象的だったのが
110手目付近でダブル解説を行っていた時のトークです
高見七段
凄いな。自分たちが20手30手かけて
ゆっくり勝とうとしたところを僅か後手くらいで即詰みの順迄はいりましたね
やっぱり終盤も鍛えなおさないといけないです
自分が実践でも気付いたかどうか分からないので
対局が始まった10時間くらい経とうとしてて
疲れがある中でびしっと踏み込めるのは
強いし、自分の読みも絶対だって自信もあるし
凄いなって思います
と高見七段は感嘆しきりでした。
高見七段と同じ石田和雄九段門下門倉五段の総括
最後まで見られてよかったです。
これ途中で帰ったら悔しいですから 同年代の上村さんがですね。
今を時めく藤井七段と最後までいい勝負をして 私も一緒になって考えていましたけどまあ結果は残念でしたけれども、相当いい将棋だったなと思います
一番印象的だったのが藤井さんの76手目8五香です。
香車をしたから打てるのに 直接打つって言う状況は相当レアケースだと思いますので それが本局のハイライトになるかなと思います。
この様に最後に語って帰って行かれました。
高見七段の総括
序盤お互いが指した事のある形から
6九飛車あの。66手目6五同歩
6五同銀、6九飛
という趣向を凝らした手順ですが。
先に工夫したのは上村さんで それに対して藤井さんは長考に沈んで
踏み込んでいったんですけど、 でもずっとバランスが取れていたように
思いますね。 お互いこれと言った悪手はなくて
実際AIの評価も五分五分続き、解説としてもどっちがいいとは言えない局面が続き、こっちを持ちたいかなくらいの感じでした
最後までいい勝負が続いていましたので、中盤はどっちもいい勝負が続いていたのかなと、それくらい、あとから振り返っても思います。
熱戦で見ごたえがありました。
聞き手の山口女流二段は次のように話しています
藤井七段の8五香も素晴らしい一手でした
最後のほころびを見逃さなかった藤井さんの強さっていうのも光りましたね。
それに続けて高見七段も
みんな知ってるとは思いますが
強さを見せつけられた対局だったなと思います。
この勝利で2連勝となり全勝すれば挑戦者決定戦です。
4勝1敗だと誰かと並んでしまうかもしれないので
藤井さんとしては3局どれも落とせないつもりで望むと思います。
でも全勝されては優勝してしまうので
周りからマークされ研究されますから勝ち辛くなります。
と高見七段が番組最後の締めの言葉で話していました。
藤井七段の将棋は勝ち上がりたいと思っている人ならば
誰もが研究しますから当然ドンドン難しい将棋が増えてきます。
その中でも藤井七段らしい将棋ができれば大きな記録も夢ではないと
nanaは思っています。これからも応援しています。
次の対局
03月24日に【王位リーグ】があり
稲葉八段と対局します。
この対局を含め今年度あと2局です。
全勝すれば3年連続8割越えの勝率を叩き出し
史上初の記録となります。
年度勝率ランキング一位は羽生九段が4年連続で
出していますが8割2回、7割2回ですので
どれほど8割を3年連続で出すことが難しいか分かります。
しかも次の対局が稲葉八段とはかなり強敵です。
見逃せない対局になりましたね。
将棋ファンの声
★この調子で勝ち上がって王位を勝ちとって新型肺炎の感染話題から
将棋の話題に切り替えてもらうチャンスです。みんなが待っていますので頑張ってください!
★上村五段には過去銀河戦で対局して敗れていますが、今日は完勝でした。
藤井聡太七段は、持ち時間が長い将棋の方が強そうです。短い将棋が弱いというわけではないですが。
ともかく、近い将来に複数のタイトルを取ることを期待します。
★ちょっと仕掛けのところで50手目8六歩に
8六同銀と取られる手でちょっと牽制していて
それ以降は自信のない展開が続いていたかなと 思います。
★今回の対局も非常に難解な将棋となったにも関わらず、両対局者の才能が発揮された名局になりました。
現代の将棋を象徴するような、全体の六割ほどまで研究が進み、
その先は超難解。それを最善手を差し続けないと劣勢になるという厳しい戦いが続きます。
★上村五段も最善を連発しますが、藤井七段はそれを上回る、
8五香や4六角などを捻り出し才能をいかんなく発揮して勝利しました。
次回がまた楽しみになりました、期待します。
コメント